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すぐれたプレゼンターは必ず「目線」をつかんでいる

今回のゲストブログは、今やIT業界を超えて、日本屈指のプレゼンターとして名高い西脇 資哲さんに寄稿いただきました。 日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリストとして活躍されている西脇さんが、エンジニアの皆さんに、そして、あらゆる方々に役に立つ書籍を出版されました。その書籍をご紹介をいただきます。(2015年6月18日)


西脇さん著者西脇 資哲 (にしわき・もとあき)
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員/エバンジェリスト。1969年岐阜県生まれ。岐阜の小さなシステム会社でプログラマーとしてモニター画面に向き合う日々を過ごしつつ、ひそかにプレゼン技術の研究を重ねる。96年、日本オラクルに入社し、IT業界屈指のプレゼンターとして頭角を現す。09年、マイクロソフトに入社。マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。 「年間250講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。

オジさんのことが気になる…

私のプレゼン講座でやっているちょっとした実験のお話です。

下のようなごちゃごちゃとしたスライドを投影し、右側中段にある「棒グラフ」(研究開発投資の推移)についてプレゼンをするとします。
 

guest-bog-20150616_図01

 

そのあと、私は会場のみなさんにこう聞きます。

「では、2014年度の研究開発投資はいくらでしたか?」


はっとして前を見ても、もうこのスライドは投影されていません。その結果…99%の人がこの質問には答えられません。

なぜだと思いますか?


理由は簡単。

9割の人がずっと「左下のオジさん」を見ているからです。


だから、

プレゼンがまったく伝わらない。


伝わるのは「見ている情報」だけ

これはただの実験ですが、これと似た経験をしたことってありませんか?

「丁寧に説明したはずなのに、『え、なんだっけ?』と聞かれる……」
「すごくうなずいてくれていたのに、実は理解されていなかった……」
「わかりやすくプレゼンしたのに、全然伝わっていなかった……」

ここには、プレゼンを含めた「伝えるという行為」の真理が詰まっています。

それは、

『相手の目が見ていないもの』について伝えても、99.9%理解されない


という動かしがたい事実です。

人間の脳は「いま目で見ている情報」だけを理解しようとし、それ以外を「ノイズ」として無視します。


そう、つまり……

何かを伝えたければ、まずはそれを「見てもらう」ことが絶対条件


なのです。

さきほどのスライドを見たとき、聞き手のみなさんの目線はまず「オジさん」に向かいました。人間の目は、ただの文字列よりも人間の顔に引きつけられるようにできているからです。もし「研究開発投資のグラフ」を説明したければ、まずそこに聞き手の目線を引きつける必要があります。

言葉での誘導だけでなく、手や身体の動き、声のトーンなど、工夫の余地はいろいろあるでしょう。
もちろん、情報がギッシリ詰まったこのスライド資料を「見やすく改善する」というのも1つのやり方です。

プレゼン上達のもっとも確実な方法

「わかりやすく伝えているのに、なぜかいつも理解してもらえない……」

そんな心当たりがある人は、ちょっと思い返してみてください。

あなたが話しているとき、相手は「よそ見」をしていませんか?

逆に、それほど話し上手ではないのに、「なぜか伝わる」人っていますよね。そういう人は、意識的・無意識的は別として、「自分が伝えたいこと」と「相手が見ていること」を一致させる—「視線誘導」ができているのです。

こうした視線誘導のお手本として私がつねづね紹介しているのが、

ジャーナリストの池上彰さんです。

たとえば、彼が番組のなかでフリップを手にしながら、「では、いちばん上のこの項目ですけどね」と話す瞬間に注目してみてください。池上さんは「いちばん上」という言葉に加え、必ずそこに手を添えているはずです。

すると、視聴者たちはそれと気づくことなく、ごく自然に視線誘導され、フリップに書かれている情報に目を向けてしまいます。そこにすかさず、あの一流の解説が耳から入ってくる。

つまり

彼は、「視聴者が見ていること」「自分が伝えたいこと」を一致させる名人

なのです。

圧倒的実績の研修が一冊に!

私はいま、日本マイクロソフトのエバンジェリストを務めるかたわら、全国の企業・団体・学校などで「プレゼン研修講師」としても活動しています。2014年だけでも計250回の講演・研修の機会をいただきました。

いまでこそ、こんなに忙しい毎日を送らせていただいていますが、私ももともとは地方の小さな企業のプログラマーでした。つまり、プレゼンどころか、ほとんどずっとモニターに向き合っているような人間だったのです。

そんな「プレゼンの素人」だった私が、口コミで全国から招待される講師にまでなれたのは、まさに今回の書籍『プレゼンは「目線」で決まる』にまとめたテクニックを実践してきたからです。

その意味でも、本書は「話すのが苦手な人・プレゼン初心者」にとって、「まずはこの一冊」としておすすめできる本になったのではないかと自負しています。 

 

プレゼンは「目線」で決まる―――No.1プレゼン講師の 人を動かす全77メソッド

書名:プレゼンは「目線」で決まる
著者:西脇 資哲(にしわき もとあき)
定価:本体1,500円+税
発行:ダイヤモンド社
発売:2015年6月19日


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