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OSS Now! AKAI's Insight Vol.30 - 2015/12/25

2015年のLinuxとオープンソースはどうだったのか?、日立のOSS事業強化の紹介、そして、AMDによるGPU周りのオープンソース化を取り上げました。

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2015年のLinuxとオープンソースは?

ZDNet誌に『2015年のLinuxとオープンソース--期待と失望の1年を振り返る』と題した記事が掲載されました。

詳細は記事をご覧いただくとして、エンタープライズ系のLinux/OSS界隈ではそれほど話題になっていないと思われるトピックといえば、「ディストリビューション再編」の項でしょうか。"ひときわまばゆい光を放つ新星が現れた。新星の名前は、「Elementary OS Freya」"といういうことで、Elementary OSというディストリビューションが紹介されています。「高速で自由なWindowやMacの代わりです。」と題されたトップページのキーイメージにあるように、非常に精錬されたデスクトップです。年末年始にPCにインストールしてみるのはいかがでしょうか? (下の画像は、Elementary OSページの画面ショットです)

elementary OS

個人的には、2015年、Linux/OSSにとっても、IT業界全体にとっても、大きな話題と課題になった1つは、セキュリティだと思います。例えば、Linux Foundationは,インターネットのインフラを担うオープンソースプロジェクトを資金面でバックアップする「Core Infrastructure Initiative(CII)」を発足し、対応を開始しています。

日立がOSS事業の強化

日立グループが、2015年10月1日付で情報・通信システム社内に設置したOSSソリューションセンタを設立し、2018年までにOSS人材を3000人まで強化することを発表しました。OSSソリューションセンタ室長である山本二雄氏のインタビューがITProに掲載されました。

日立では、ITソリューションを手掛ける社内カンパニーである情報・通信システム社以外に、同じく社内カンパニーであるインフラシステム社などでもOSSを積極的に活用している。ところが今まで、各カンパニーが個別に、「R&D(研究・開発)部門」とやり取りしながら顧客対応してきたのが実態だ。


大手ハードウェアベンダーやSIが、OSSに対して、企業として取り組み始めたことを以前、このコラムでも紹介しました。そこでも書いたのですが、この山本氏のコメントのあるように、一部の事業部ではこれまでも対応してきていたが、他の事業部では対応してないといったことがあり、誰に話を聞くかによって、OSS の採用が増えているかどうかがよくわからないという状況がありました。2014年から2015年にかけて、米国のITベンダーだけでなく、ネット企業も戦略的にOSSの活用と公開を進めていることから、日本企業の状況も変わってきているようです。

参考: 2018年に3000人、日立がOSS事業の強化を鮮明にするワケ(ITPro)


AMDがドライバを含めたGPUソフトウェアをオープンソース化に

AMDは、GPUのソフトウェアをオープンソース化(「OpenGPU」)することを発表しました。GPUは、今まで利用されていた画像や動画などのグラフィック処理以外に、近年では、機械学習/ディープラーニング基盤の主要コンポーネントとして利用されることが多くなっています。記事では、開発者が、ディープラーニングに最適な独自バージョンドライバーを開発することもできるといった用途が紹介されています。

新しいトレンドを取り入れ、改善していくということで、地味に見えますが大きな一歩だと思います。

最後も、個人的な経験になりますが、GPUだけに限らず、Linuxがエンタープライズ向けに採用が進んでいく過程で、大きな課題の一つだったのが、周辺機器を接続するためのドライバーがプロプラエタリなものが多く、ソースが公開されていないことが多くありました。「LinuxはOSSだから、問題があれば解決できる!」と話をしている人もいましたが、では、「RAIDコントローラは?」などと質問すると、言葉に詰まったものです。そういう意味で、今回の動きは、印象的だと感じます。


さて、今号で、2015年の最終号となりました。みなさん、良いお年を!

参考: AMDがドライバを含めたGPUソフトウェアをオープンソース化 (PC Watch)