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OSS Now! AKAI's Insight Vol.41 - 2016/05/13

世界中で話題のパナマ文書解析で活用されたグラフデータベースNeo4j、パナマ文書解析における技術的側面、Docker対抗のコンテナ技術を開発したCoreOS社の取り組み、さらに、オープンソースと企業との関係を考える上でのミッションクリティカルなエンタープライズ領域へのPostgreSQLの普及を推進することを目的にしたコンソーシアムPGConsについて取り上げました。

世界中で話題のパナマ文書解析で活用されたグラフデータベースNeo4j

世 界中で話題になっているニュースの一つは「パナマ文書」です。国際調査報道ジャーナリスト連合は、入手したパナマ文書をデータ解析しています。容量は 2.6TBと大きくはありません。中身は、ファイル数が約1,150万、データ形式は、電子メール、データベース、PDF文書、画像、テキストファイルで す。その中には人物、会社のデータが大量にあるため、関係者を結びつけて調査するには、さまざまなツールやテクニックを使う必要があります。

その中でも、一番の話題となっているツールが、グラフデータベース Noe4j です。

Neo4j

Neo4j はJavaで実装された、 オープンソースの最も人気のあるグラフデータベースです。その開発元であるNeo4j社CEO Emil Eifrem氏へのインタビューがZDnet に掲載されました。パナマ文書やグラフテクノロジー、そして同社の戦略について話をされています。

パナマ文書で注目されたNeo4jとグラフデータベースの未来とは?--CEOに聞く (ZDnet) 

「パナマ文書」解析の技術的側面については、ニュースウィーク誌に紹介されています。2.6テラバイトのリークデータを調査報道機関が分析するときに、多くのオープンソースが利用されていることが分かります。グラフデータベース Neo4j 以外にも、Apache SolrApache Tika などが利用されています。

興味あれば、この記事にアクセスしてみてください。

「パナマ文書」解析の技術的側面 (Newsweek/大野圭一郎 )

DockerのライバルCoreOS、グーグルなどから2800万ドルをシリーズBで調達

CoreOS社は、Googleのベンチャーキャピタル部門であるGVが主幹事を務めるシリーズB投資ラウンドで2800万ドルを調達しました。グーグル以外には、インテル、Y Combinatorといった著名な企業が投資しています。

CoreOS、2800万ドルをシリーズBで調達--グーグルのベンチャーキャピタル部門が主幹事 (ZDNet) 

CoreOSは今回の資金調達によって、最も普及しているコンテナテクノロジである「Docker」を手がけるDocker社との競争がさらに進むことになるでしょう。

CoreOS社は、元々Docker専用の軽量LinuxOSとしてCoreOSを開発してきたことで著名になっていましたが、2014年12月にDockerのセキュリティ面の課題を解決することなどを主な理由として、独自のコンテナ実装である「Rocket」の開発を発表しました。

その後、Linux Foundationの協調プロジェクトであるコンテナの統一仕様を推進する「Open Container Project」に、Docker社とCoreOS社が参加することで、仕様上の統合が図られることになりました。

その後、この仕様に基づいてコンテナ型仮想化「rkt 1.0」正式リリースしました。Dockerイメージも実行可能です。ネットを検索したかぎり、rtk  を検証した日本語の情報を見つけることはできませんでした。検証してみるのはいかがでしょうか?

参考:Docker対抗のコンテナ型仮想化、CoreOSの「rkt 1.0」正式リリース。Dockerイメージも実行可能 (Publickey) 

企業とOSSコミュニティとの付き合い方について考える

上の2つの記事は、オープンソースと企業との関わり(ある企業が中心になったオープンソース)を紹介しています。Neo4j社とNeo4j、CoreOS社とrtk です。

どちらかというと、オープンソースと企業との関係でいえば、いろいろな企業・団体の人や個人が集まったオープンソースコミュニティとそのオープンソースをビジネス利用あるいは販売(商品化やサービス化など)する企業とはどう関わっていくべきかということの方を想像する人が多いのでは亡いでしょうか?

そこで、参考になる事例として、OSS DBであるPostgreSQLとそれに取り組む企業のコンソーシアムPGEConsがあります。PGConsは、2012年4月にNTT、富士通、NEC、日立製作所をはじめとする日本を代表するITベンダー10社によって設立されました。ミッションクリティカルなエンタープライズ領域へのPostgreSQLの普及を推進することを目的に、PostgreSQL本体および各種ツールの情報収集と提供、整備などの活動を行っています。

付録として、過去の活動成果がでています。個人だけでは達成することできない(多くの人での検証だけでなく、ハイエンドサーバーなどの検証機器の調達等)ことがわかるのではないかと思います。

もちろん、PGConsはオープンソースと企業との関わりの一例にすぎませんが、クローズドソフトウェアでもこの手のコンソーシアムは、長続きしない、発表だけで実態がないなどが多くありますので、数年にわたって続いてきた活動の裏側を知ることができます。

長めの記事ですが、ぜひ参考にしてください。

OSSコミュニティとの付き合い方 ~PGEConsの実践~ (ZDNet)