現在位置: ホーム / OSS Now! / OSS Now! AKAI's Insight Vol.48 - 2016/07/28

OSS Now! AKAI's Insight Vol.48 - 2016/07/28

2年ぶりにLinuxの創始者リーナストーバルズ氏が登壇したLinuxCon Japan 2016から、彼のセッションで語られたこと、そして、10年間二桁成長を続けてきた仮想化ソフトウェアの2015年の国内仮想化ソフトウェア市場実績と今後の予測、JBossの新しいバージョンについて紹介します。

リーナス曰くー 良いメンテナーに必要な資質の一つは「人に任せることができる」こと

先週も紹介した2016年7月13日~15日に東京で開催されたLinuxCon Japan 2016に、今年は、2年ぶりにLinuxの創始者リーナストーバルズ氏が登壇しました。

リーナスは、いわゆるプレゼンテーションをせずに、このセッションにあるように対話形式で実施することがほとんどです。質問は、会場から受ける場合もあるし、事前に受け付けている場合もあるようです。

さて、今回リーナスの言葉で印象的なのは、以下でした。
『良いメンテナーに必要な資質として「人に任せることができる」点を挙げます。「コーディングを手放さない人が居るんです。細かいところまで自分でやらないと気が済まない。かつては僕もそうでした(笑)。メンテナーの立場ならパッチは他からいくらでも取ってくることができます。それを必ずしも全部理解していなくても,背景を見通すことが必要。それができるのがメンテナーなんです」(Linus氏)。』

「人に任せることができる」というのは、とても難しいですよね。慣れれば慣れるほど、自分でやった方がはやくなりますから。この言葉は、いわゆるマネジメント本(管理職や経営者が読む本)にもよく出てくる言葉です。任かせるということは、信頼関係をいかに構築できるかということです。自分の周辺にどれくらい任せることができる人がいるかを考えてみるのも、夏休みにはいいかもしれません。

参考: コミュニケーションが続く限り開発も続く─LinuxCon Japan 2016 2日目 Linus Torvalds氏の言葉 (技術評論社)

ソリューションベンダーはOpenStackやDockerなどのクラウドシステムソフトウェアを活用したソリューションを主軸にすべき時期

調査会社 IDC Japanは、2015年の国内仮想化ソフトウェア市場規模実績と2020年までの予測を発表しました。
 
2015年の国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場規模は、前年比5.7%増の552億9,900万円、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は6.0%、2020年には741億円になると予測しています。2015年の国内バーチャルクライアントコンピューティング市場規模は、前年比3.7%増の236億7,000万円、2015年~2020年のCAGRは6.8%、2020年には329億円になると予測しています。

なんと、仮想化ソフトウェア市場ですが、2005年から2014年までの10年間二桁の前年比成長率を続けてきたそうです。ほとんど例のないことだそうです。

それが一息した2015年ということになります。今後は、

IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷 光浩は「仮想化ソフトウェア市場の成長が落ち着いてきたということは、ユーザー企業のデータセンターにおいて仮想基盤がしっかり形成されたことの表れでもある。次のステップは仮想基盤にコントロール機能を付加したクラウドネイティブシステムへの拡張となる。ソリューションベンダーはOpenStackやDockerなどのクラウドシステムソフトウェアを活用したソリューションを主軸にすべき時期に来ている」と述べています。

ソリューションベンダーとありますが、システムインテグレーターと読み替えてもいいでしょう。今まで、仮想化ソリューションに投資をして、彼らも事業を成長させてきましたが、今後は、新たな 一手が求められることになります。 その中でも、オープンソースへの取り組みが、大きな差別化になっていくという予測です。当然、事業者だけでなく、エンジニアも自分のウリとなるナレッジをどこに持って行くかということの検討時期でもあると考えます。

参考: 国内仮想化ソフトウェア市場予測を発表 (IDC Japan)

 「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform(EAP) 7」の国内提供開始

最後は、レッドハットが、Java EE 7に準拠したアプリケーションサーバ「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform(EAP) 7」を7月21日から提供したというニュースです。

Java EE 7 対応だけでなく、DevOpsで必要となる統合開発環境(IDE)「JBossDeveloper Studio」や継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」、テストスイート「Arquillian」、プロジェクト管理ツール「Maven」などさまざまなウェブアプリやJavaScriptのフレームワークが含まれています。

上記のIDC Japanのレポートにあるように、クラウドソフトウェアへの注力がポイントになってくる方向です。そこでも、開発という行為はなくなるわけではありません。そこで話題となるがDevOpsです。

Java EE といえば、昨今、将来どうなるのかということが話題に上がることが多い状況です。これらの情報もウオッチしておくといいでしょう。

参考:  レッドハット、Java EE 7準拠のアプリケーションサーバを国内でも提供 (ZDNet)