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OSS Now! AKAI's Insight Vol.50 - 2016/08/19

マイクロソフトによる「PowerShell」のオープンソース化、GoogleがIoT向けと噂される新OS「Fuchsia」開発中である件と、米国ホワイトハウスが連邦政府内でのソースコード共有についてののポリシーを提案したニュースを取り上げました。

マイクロソフト、「PowerShell」をオープンソース化

マイクロソフトが、Windows環境で提供されているPowerShellをオープンソースとして公開しました。アルファ版は、GitHubにアップロードされています。

Powershell

これで、PowerShellをLinuxやmacOSでも使えるようになります。

Windows 10にBash が搭載され、一方でLinux上でPowerShellが利用できるようになるという状況です。報道によれば、Bash on Windowsは、オープンソースのデベロッパーがWindows上で仕事ができるための措置とのことですので、双方のユーザーが利用しやすいツールを使っていきましょうということなのでしょう。

参考: マイクロソフト、「PowerShell」をオープンソース化--アルファ版を「GitHub」上で公開 (ZDNet)

Googleが新OS「Fuchsia」開発中

Googleが、新OS Fuchsia プロジェクトを開始したというニュースが多くでています。GitHubにプロジェクトが公開されたという内容以外には、あまり情報多くありません。

この新しいOSは、IoTデバイスや組み込み機器で利用されることが多いRTOS (リアルタイムOS)に属するものではないかといわれています。

リアルタイムOSは、実行が「速い」OSと誤解されることが多いのです。実行が速いことが主ではなく、ざっくりと説明すると、「優先度の高いタスク」をタイムリーに確実に実行するOSです。ウェブシステムなどのサーバー系OSとして利用されるよりも、組み込み系OSとして利用されるのが中核です。

従来のリアルタイムOSとしては、国内では、ITRON(アイトロン、Industrial TRON)が有名です。また、VxWorksも採用が多いものの一つです (参考:「組込みLinux選択のポイント ~第1回:リアルタイムOSからLinuxへ~」) 。

ネットワーク接続を前提としたIoT機器構成、セキュリティの担保などが、IoTが普及期に入りつつある今、大きな課題にもなっています。これからの市場動向に注目であると考えます。

参考: Googleが新OS「Fuchsia」開発中、IoTデバイス向けRTOSか

ホワイトハウスがソースコード公開のための一般ポリシーを提案

合衆国政府は、連邦政府内でのソースコード公開するポリシーを発表しています(提案なので、法律ではありません)。

「そのポリシーの主な要件は、“連邦政府によって、または、〜のために独自に開発される”ソースコードはいずれも、すべての政府諸機関による共有と再利用が可 能でなければならない、というものだ。たとえば、TSA(運輸保安局)は、FBIが独自に作らせたソフトウェアのソースコードに、アクセスできなければならない。」(TechCrunch記事から)

米国では超党派でFITARA法が成立しています。FITARA法では、以下の改革を定めています。

  1. 各機関の CIOの権限の強化
  2. IT投資における透明性の強化とリスクマネジメントの改善
  3. ITポートフォリオのレビュー
  4. 連邦データセンター強化イニシア ティブ
  5. IT専門家部隊のトレーニングと利活用
  6. 連邦政府戦略調達イニシアティブの成果の最大化
  7. 政府横断的なソフトウェア購入プログラム

7にあるようにソフトウェアの購入については、最適化が求められています。

外交上・国防上の問題もあるので、すべてのアプリケーションのソースコードが公開されることはないでしょうが、行政分野では同じような仕事をしていることも多く、それらの支えるソフトウェアを共通化することでコストを削減し、効率化を図っていくことは望まれいく方向なのでしょう。

これらの動きは、時間が経過すると日本政府にも影響することが多くなるので、公共関係のオープンソース採用にかかわる方は、ウオッチしておくといいと思います。

※FITARA法(Federal InformationTechnology Acquisition Reform Act):2014年12月に成立した法律

参考: 政府全体のオープンソース化をねらうホワイトハウス(大統領府)が、ソースコード公開のための一般ポリシーを提案 (TechCrunch)