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OSS Now! AKAI's Insight 2016/08/26

Linux 25周年、Cloud Native Computing Foundation の活動、HPEがSGIを約2億7500万ドルで買収した話にからめて、HPC市場について少し紹介しました。

Linux 25周年 

8月25日がLinuxの誕生日といわれています。それは、リーナスが以下の投稿を1991年8月25日にNetNewsに行ったことにあります(NetNews自体がほとんど利用されなくなりましたが、当時はメーリングリストとNetNewsでのコミュニケーションが盛んでした)。まだ、ウェブブラウザのない時代です。

Linusメッセージ

私がLinuxの存在を認識したのが、たぶん1997年くらいだったように思います。Linux 20周年にあわせて、当時を振り返ったブログを書いています (ブログ:Linux 20周年記憶に残ることと『震災恐慌』)。

2002年くらいまでは、利用する人は利用している状況でしたが、 x86サーバーの性能向上に合わせて、レッドハットなどが企業利用することを目的にエンタープライズ向けLinuxをリリースし、商用UNIXからLinuxへの移行が急速に進みました。サーバー用途以外にも、スマホなどへの搭載も進み、今やLinuxが存在しない世界は考えられなくなりました。

参考: Linux、25歳の誕生日おめでとう (TechCrunch)

Cloud Native Computing Foundation はKubernetesの管理団体なのか?

2016年1月に発足したCloud Native Computing Foundation(CNCF)は、AT&T、シスコ、Cloud Foundry Foundation、CoreOS、Cycle Computing、Docker、 eBay、Goldman Sachs、グーグル、Huawei、IBM、インテル、Joyent、Mesosphere、レッドハット、Twitter、ヴイエムウェア、Weaveworksなどメンバー企業は50社を超える団体です。

CNCFの活動は、外部からなかなかわかりにくいところがありましたが、@ITに臨時ディレクターのChris Aniszczyk氏のインタビューが掲載されましたので、かなり活動が見えてきました。

記事:コンテナ運用環境を標準化? CNCFは何をやろうとしているか (@IT)

CNCFは、 Linux Foundationの協業プロジェクトの1つになっています。Chris Aniszczyk氏は、Twitter社オープンオフィスのリーダーを勤めたあと、今はLinux Foundationに勤務しています。

KubernetesはCNCF結成のきっかけにはなったが、同団体の中で特別な存在というわけではない。単なる最初のメンバープロジェクトであり、コンテナオーケストレーションにおける推奨選択肢の1つという位置付けだ。

ということだそうです。コンテナ界隈に詳しい人からは、「Dockerも独自のオーケストレーション技術はどうなのか?」という疑問もでると思います。それらについても、Chris氏が答えているのでぜひインタビュー記事に目を通してください。

コンテナ関係では、このほかにコンテナ形式の標準化も進んでいます。こちらについては、先頃Twitter上で論争が起こったことで注目を浴びました。

コンテナ技術を搭載したエンタープライズ向けOSでは一番のシェアを持つWindows Serverの最新版Windows Server 2016のリリースが近いことから、情報が今後も増えてくるでしょう。今年は引き続きコンテナ技術について、フォローが重要だと思います。

HPEがSGIを約2億7500万ドルで買収

Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2016年8月11日、SGI(Silicon Graphics International)を買収することで両社が最終合意したと発表しました。

SGIはHPC向けソリューションを中核にした企業です。現在のSGIは、80年代に創業されたSGIではなく、ラッカブルシステム社によって買収され、ラッカブルシステム社が社名をSGIに変更した企業です。

(倒産したわけではありませんが、同じような事例は、1983年のAT&T分割でできた地域通信会社SBCコミュニケーションズが、AT&Tを買収し、社名をAT&Tとしたものがあります。)

SGIは、2006年と2009年に連邦破産法11条の適用を申請したあと買収されました。

HPC市場自体は、政府機関での投資、製造業の設計環境や金融機関でのリスク管理などの分野で引き続き成長しています。

しかし、HPC専業ベンダーはほぼ世界中でなくなりました(一部、政府からの投資で続いている企業があります)。この背景には、HPC市場は非常にコストセンシティブため、十分な利益を確保することが非常に難しいことあります。そのため、メジャーなサーバーベンダーは、HPCビジネスとエンタープライズビジネスとのバランスを上手く確保して、事業を展開しています(例えば、新しいサーバーをHPC市場で導入して、そのあとにエンタープライズ市場に投入するサーバーに展開するなど)。

今回の買収により、スパコントップ500のベンダーシェアでは、HPEが大きく他社を引き離して、No.1スパコンベンダーを維持することになります(下図は最新のトップ500のベンダーシェア。www.top500.orgから)。なお、スパコントップ500のOSはほぼLinuxです。

TOP500ベンダー