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OSS Now! AKAI's Insight - 2016/09/09

今週は、インテルなどの大手IT企業のスピンオフ、合併の話にあわせた業界動向、OpenStackディストリビューションリリースの話、そして、FireFoxを中心にしたブラウザについて取り上げています。

インテル、HPEの大型スピンアウト発表、デルによるEMC買収完了

インテルは、7日、傘下のIntel Security (国内ではマカフィーブランドで有名)について、株式の過半数を投資ファンドTPGに売却し、インテルとTPGが共同でセキュリティ企業「McAfee」を設立すると発表しました。インテルは、2011年にMcAfeeを買収して、2014年には社名をIntel Securityに変更しています。

インテルは、新しい戦略(データセンターやIoTなど)に向けて、組織を整理している状況です。

また、同様な流れになるでしょうか。HPE も、ソフトウェア事業の一部をスピンオフして、マイクロフォーカス社と統合することを発表しました。マイクロフォーカスは、10年弱投資ファンドが中堅クラスのソフトウェアベンダーを買収して統合された企業です。マイクロフォーカスは、従来からオープンプラットフォーム上のCOBOLソリューションで実績がありました。今は傘下にLinux/OpenStackディストリビューションを提供するSUSE事業を持っています。

この発表にあわせて、SUSEを軸にしたHPEのLinux/オープンソースへの取り組みも強化されることがアナウンスされています。

そして、ほぼ同時に発表されたのが、デルによるEMC買収完了です。これにより、デルは、“Dell Technologies”として出発することになります。こちらの買収案件についても、投資ファンドが支援しています。

これらの流れとして、最近気になるのが、買収、スピンオフに投資ファンドが関与することが多くなっていると感じることです。投資ビジネスは専門家ではありませんが、業界誌を読むと、株式投資よりも最近はこの手の買収・スピンオフに注力するファンドが増えているとのことです。この他には、OpenStackで名高いRackspaceも投資ファンドから支援を受けて、株式公開をやめています。

デルの動きは、最近の売却、独立などの動きとは違いますが、この数年、IBMによるx86サーバー事業をレノボへ売却、シマンテックの分社(ベリタスの独立)、HPの分社(HP Inc.とHPE)、CA(Arcserve事業の投資ファンドへの移管)など、大手企業が事業を整理していることが目立ちます。成長するマイクロソフトも、広告事業などをAOLに売却しています(Microsoftが広告事業や地図事業を売却、経営資源の選択と集中が加速中)。

米民主党政権になると買収が減り、米共和党政権になると買収が増えるといわれることがあります(民主党は独占禁止法に厳しい傾向があるため)。ただ、上の動きは、それ以上にITビジネスの地殻変化が大きく、それに合わせて、大手IT企業が事業変革を実施していると考える方がよいでしょう。おそらく、(デルを除いて)選択と集中をさらに進める企業がさらにでてきて、そこに投資ファンドが支援していくという動きは、この数年は変わらないと考えます。

参考:

Intel、セキュリティ部門をスピンアウト 社名はまた「McAfee」に (ITMedia)
DellとEMCが統合完了、“Dell Technologies”としていよいよ始動 マイケル・デル氏が方向性を説明 (クラウドWatch)

HPEが一部の非中核ソフトウェア資産をスピンオフ、Micro Focusと統合する計画を発表

OpenStack Mitakaを基盤としたOpenStackディストリビューションの最新版

レッドハットおよびVMwareから、OpenStack Mitakaを基盤としたOpenStackディストリビューションの最新版が発表されました。

両社とも、アップストリームのOpenStackに対して、Valueを付加してリリースしています。最近は、’OpenStackディストリビューションビジネスも安定してきた傾向が出てきている状況です。

参考:

ヴイエムウェア、Mitakaベースの「VMware Integrated OpenStack 3」発表 (マイナビ

Red Hat、Mitakaベースの「Red Hat OpenStack Platform 9」(クラウドWatch)

巻き返し狙う「Firefox」、新テクノロジーと国内での動き

Net Applicationsから2016年8月のデスクトップブラウザシェアが発表されました。ChromeとMicrosoft Edgeがシェアを増やし、Microsoft Internet Explorer、Firefox、Safariがシェアを減らしています。特にChromeは50%以上のシェアになっています。

ブラウザシェア

グラフ元: https://www.netmarketshare.com/

一方で、長期的にシェアが下降傾向なのが、Firefoxです。このままのトレンドでは、MS Edgeブラウザにもシェアが抜かれるという状況です。ここで、新技術 Electroysisを使っての高速化などにより、勢いを取り戻そうという取り組みを行っています。国内においても、FireFoxの法人向けサポートビジネスを、ミラクル・リナックス社が一般社団法人Mozilla Japanと協力して実施することを発表しました。

多くの企業、特に国内においては、標準ブラウザとしてIEをしているところが多くあります。しかしそのIEの影響は最新版ではなく、少し古いバージョンであることもよくあります。しかし、最近のクラウド化の流れで、Office 365やGoogle Apps、Salesforceといった最新のSaaSの利用を行うには、最新のバージョンのブラウザを利用することが必要であることが多いです。つまり、古いIEでは対応できないということになります。

それらを解消するために、元々法人向けサポートビジネスを実施してなかったFireFoxに対して、最新バージョンのサポートをエンタープライズレベルで実施するということです。

デスクトップ以外にも考えるなければならないのモバイル環境です。モバイルファーストの時代であるため、iPhone/Safariをサポートする必要も高く、アプリケーションを利用する環境をどのように整理していくかということは、これまで以上に注意が必要となります。

巻き返し狙う「Firefox」--新技術「Electrolysis」で高速化、サンドボックス化も (CNet)

Chromeが54%と前月からさらに増加 - 8月ブラウザシェア (マイナビ)

ミラクル・リナックス、「Mozilla Firefox法人向けサポートサービス」を提供開始 (ZDNet)