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OSS Now! AKAI's Insight 2016/12/09

改善しつつあるとはいえ、まだ道半ばのOSSセキュリティの現状、今後のソリューションとして注目が高まるFPGA、そして、話題のIoTからは、日立のIoT基盤プラットフォームに各種のOSSが採用されているニュースをピックアップしています。これらの話題は、来年以降も続くものだと考えます。

OSSセキュリティは、改善途中

先日横浜で開催されたLinux Foundation 主催Open Source Forum 2016 で、Linux Foundation のCTO Nicko Van Someren氏が、OSSセキュリティの現状について講演しました。

Linux Foundationでは、2014年に発覚したSSL/TLS暗号化ライブラリ「OpenSSL」の致命的な脆弱性(Heartbleed)に続く、重大なセキュリティ問題に対応するため、Core Infrastructure Initiativeプロジェクトを開始しています(もちろんですが、OSSだからセキュリティに課題があるわけではありません。商用ソフトウェアでも同様に課題があります)。

 「CIIは、支援が必要なOSSプロジェクトを見極め、人材獲得やセキュリティ強化といった必要経費のための資金や各種のテストツールやトレーニングを提供するなどの活動を行っている」(記事から)

彼によれば、2016年は2014年よりも改善したとしますが、まだ道半ばだといいます。例えば、OSSの既知の脆弱性は平均1894日間放置されたり、いまだにウェブの10%がHeartbleedをそのままにしているといいます。

OSSセキュリティ

どのような課題があるか、また、CIIがどういったことを具体的に取り組んでいるかについては、ぜひ記事を読んでいただけるとうれしいです(イベントレポートを執筆させていただきました)


参考:  「OSSのセキュリティ改善は道半ば」-- Linux FoundationのCTO (ZDnet)

FPGAについて、各種発表・記事が公開される

にわかに、FPGAを取り巻く情報が活発になってきています。

クラウドサービスプロバイダー各社のFPGA事情については、以下の記事を参考にしてください。

参考: ポストムーア時代に注目--AWS、MS、Google、IBM、クラウド各社の「FPGA」事情 (ZDnet) 

FPGAについては、その有効性は先進ユーザーによって明らかにされているのですが、まだ発展途上のソリューションということもあり、一般ユーザーが利用するには、現状ではまだハードルが高いことがあります。それは、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアの知識が必要であったり、FPGAを利用するための言語をマスターする必要があったりすることです。

そこで、取り組みを進めているのが、ミラクル・リナックスです。FPGAをGNU C ライブラリーを経由して透過的に利用することすることで、一般ユーザーにもFPGAを使いやすくする研究を発表しました。

参考:「エンタープライズFPGA」で10倍高速に、ミラクル・リナックスが研究発表 (ITPro)

GPUを利用した機械学習といったように、新しいテクノロジーを組み合わせてのイノベーションが進んでいます。FPGAについても、数年以内には各種のイノベーションを利用できるようになるでしょう。注目していきたいテクノロジーです。

 

日立のIoT基盤「Lumada」に、PentahoなどのOSSが全面採用される

ITProに、日立が進めているIoT基盤「Lumada」のアーキテクチャーが公開されています。

参考: 日立、IoT基盤のアーキテクチャーを初公開、OSS全面採用で「Lumada」を支える

記事もハイライトされているように、キーとなるコンポーネントに多くのOSSが利用されています。一般的にも有名なソフトウェアといえば、Pentahoと言えるかも知れません。

Pentahoは、米Pentaho社が開発しているオープンソースBIツールです。日立は、昨年Pentaho社を買収していています。

記事には、”IoTのデータ収集から分析までの手順を指示するための「オペレーショナル・フロー」の構築ソフトには「Node-RED」を採用する”とあります。

Node-REDは、現在、JS Founadationが管理するOSSです。JS Foundationは、JavaScriptにおけるオープンなエコシステムの発展や関連ツールの普及促進を目指す団体です。Node-RED以外にも、発足当初から管理するソフトウェアがあります。

参考:JavaScriptコミュニティーの結束目指す--The Linux Foundationの下、JS Foundation発足

統計解析やデータマイニングなどの分析ソフトは「KNIME(ナイム)」が採用されるそうです。

参考: KNIME

記事にあるすべてのOSSを理解している人は多くないと思いますが、このように、各種の先進的なOSSが組み合わさって、新しい基盤を作り上げるというのが一つの大きな流れだと思います。

今後は、OSSを統合的にアーキテクトできるスキルも重要になるでしょう。