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「ダウンタイムゼロへの挑戦」 SUSE Linux Enterprise 12 登場

ノベル株式会社(以下ノベル)は2014年11月13日、5年ぶりのメジャーリリースとなるLinuxディストリビューションの最新版「SUSE Linux Enterprise 12」を発表した。オンプレミス、仮想化、クラウド上まで『あらゆる環境でダウンタイムをゼロ』を目標にした意欲的な製品となっている。本稿では、ノベルのキーパーソンに「SUSE Linux Enterprise 12」のリリースの狙いと特徴を詳しく聞く。

ノベルは11月13日、物理、仮想、クラウドインフラ向けプラットフォームの最新版「SUSE Linux Enterprise 12」(以下、SLES 12)を発表した。SLES 12は、高可用性が求められるエンタープライズ向けのITサービスを物理、仮想、クラウドインフラに渡って導入および管理を効率的に行えるプラットフォームの最新版だ。

『あらゆる環境でダウンタイムをゼロ』への挑戦

 ノベル SUSE事業部 テクニカルセールスマネージャー 羽田勝治氏は、まず、SLES12リリースの狙いを次のように述べる。

「いままで、メインフレーム用 Linux の80%以上、エンタープライズ向けERPをけん引するSAP用 Linuxの70%以上でSUSEが選ばれていることからわかるように、ハイエンド市場において、最高品質のエンタープライズOSとしての地位を確立してきました。

そして、お客様のデータセンター環境においては、マルチハイハイパーバイザーやコンテナ技術をサポートし、クラウドでは、Microsoft AzureやAmazon Web Servicesなど50以上のパブリッククラウドサービスを認定。そして、多くの企業や団体で基盤プラットフォームとして、”パーフェクトホスト”、”パーフェクトゲスト” として、高い評価をいただいてきました。

一方で、これらは、今まで独立してとらえられていたかもしれません。しかし、今後のITシステムでは、導入が進む、物理、仮想、クラウドのハイブリッドな環境において、ホストOSおよびゲストOSともにミッションクリティカルな基盤となる対応する必要があると考えます。そこで、このような要望を実現するために、私たちは、”あらゆる環境でダウンタイムをゼロに”することを挑戦として掲げたのです」

 

ダウンタイムゼロを目指すSLES12のキーテクノロジー

では、どのようにダウンタイムゼロを実現するのだろうか。それには、羽田氏は、次の4つのキーテクノロジーをあげる

  • フルシステムロールバック
  • ライブパッチ
  • セキュリティの強化
  • 高可用性とディザスタリカバリ

「これらのテクノロジーは、それぞれ計画停止や計画外停止を最小化する機能です。これらは、相互に関係していますが、主に”フルシステムロールバック”と”ライブパッチ”は計画停止を、” セキュリティの強化”と”高可用性とディザスタリカバリ”は計画外停止を最小化します」と羽田氏は説明する。

SLES12-8

具体的に見ていこう。

1つめのフルシステムロールバックとは、ネットワークやアプリケーションをインストールしたり、変更を行ったために問題が発生したりする場合、正常な状態にワンクリックで戻す(ロールバック)する機能だ。これは、SLES12でデフォルトのファイルシステムとなったBtrfsおよびスナップショップ管理 Snapperを中核にして、実装されている。

SLES12-3

羽田氏は、「フルシステムロールバックはSLES11 SP2からサポートしていましたが、SLES11 SP2ではファイル単位で戻す仕様のため、変更を加えたファイルを選んで戻す必要がありました。SLES 12では、それに加えて、スナップショットからシステムを丸ごと戻すことができる点が大きな違いです。しかも、簡単なGUIで選択できるようになったことも大きな強化ポイントです」と説明する。

2つめのライブパッチは、Linuxカーネルをランタイム時にライブでパッチ適用する機能だ。これにより、変更によるリブートなどカーネルを停止する必要がなくなる。つまり、セキュリティホールなどのパッチを迅速かつ高い信頼性で適用できることになり、まさに、システムダウンをゼロにするというキーワードに合致する機能といえるだろう。

「ライブパッチを実現する機能は、kGraftが利用されています。kGraftはSUSE Labsの研究開発プロジェクトとしてスタートしたものですが、これをオープンソースとして一般公開しました。他のLinux技術を有効活用することで、kGraft自体のコードは少量で実装しており、Linuxとの高い親和性、安定性、信頼性を持つライブパッチ機能として、評価されています。SUSEでは、SUSE Linux Enterprise Live Patchingとして提供します。システム停止が許されないミッションクリティカルシステム、一度システムを停止すると再度メモリー上にデータを展開するまで時間を要するメモリーデータベース、長期間実行するシミュレーションなどに活用できます。」(羽田氏)

SUSE Linux Enterprise Live Patchingの利用には、SUSE Linux Enterprise Server 12 Priority Supportのサブスクリプションと、SUSEのPrimary Support Engineer(PSE)またはDesignated Support Engineer(DSE)のサービスを保有(または購入)する必要がある(詳細 www.suse.com/products/live-patching) 。

3つめのセキュリティの強化では、セキュリティツールとして、SLES9から実績のある、設定運用の容易さで高い定評のAppArmorを利用する。 今回、外部の脅威にシステムダウンを防御する機能、特にセキュリティに注意が必要なUDPを利用するアプリケーションのプロファイル設定を追加、見直しを行った。

「AppArmor は、Linuxカーネルに組み込み済みの強制アクセス制御機構です。 セキュリティホールが発見されたときに、問題の存在が広く公表される前にそのセキュリティホールを悪用して行われるゼロディアタックにも対応しています。そして、SELinux(SLES12においてもサポート)よりも容易な設定でエンタープライズのLinuxユーザーが使いこなせることも特徴です」(羽田氏)。

4つめの計画外停止では、 高可用性とディザスタリカバリ機能を提供する。

「SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionは、Pacemaker、Corosyncをベースとし、物理と仮想、あるいは混在環境で、サービスの可用性を高めるクラスタリングソフトウェアです。クラスタ化されたLinux HA環境を容易にインストール、設定、管理するパッケージとツールを提供します。そして、Geo Clustering for SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionは、距離無制限のHA/ディザスタリカバリを実現するマルチサイトクラスタを実現します」(羽田氏)

これらのキーテクノロジーの以外にも、SLES12には、多くの新機能が搭載されている(以下の図参照)。これらの魅力的で強力な機能を信頼性高く、実装することで、ゼロダウンタイムを実現しているのだ。

 

ダウンタイムゼロを支える13年間の長期サポート

もちろん、ダウンタイムゼロを支えるには、テクノロジーだけでなく、サポートも重要な要素だ。

「SLES12でも、SLES11から導入した、ジェネラルサポート10年、延長サポート3年の合計13年の長期サポートを提供するライフサイクルを提供します。単純に13年の長期サポートを提供するということではなく、サービスパック(SP)は、 SP1の提供以降、約18ヶ月の間隔で新SPを提供し、新しいSPのリリース後、6ヶ月間、旧SPを重複サポート。全体として各SPに対して約2年間の通常サポートを提供します。さらに、36ヶ月間のLTSSを、GAを含むすべてのSPバージョン毎に提供することで、準備期間を十分にとって、パッチやアプリケーション移行を実施できるようになります」と羽田氏はライフサイクルを説明する。

 

このようにミッションクリティカルな環境を考慮されたライフサイクルを提供することで、より長期にわたり、基幹システムなどへの計画や導入、運用が容易になるのだ。これは、20年以上にわたって、多くの実績と経験を持つSUSEならではのサポートに対するスタンスと言えるだろう。

 SUSE Linux Enterprise 12をぜひ評価

最後に、羽田氏は、次のように締めくくった。

「SUSEは、1992年ドイツで創業して以来、20年以上にわたってミッションクリティカル用途向けのハイエンドLinuxを提供していきている実績と経験があります。SUSE Linux Enterprise 12では、この実績と経験を活かした、エンタープライズOSとして『ダウンタイムゼロへの挑戦』を行った意欲的な製品です。 ぜひ、ご検討いただけますと幸いです。」

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